背景をうまく見せるコツ

イラストは、背景によって大きくイメージが変わってきます。
イラストの質も勿論関係するかと思うのですが、背景にはメインイラストのテイストによって大きく左右されます。 ですからこちらでは、背景をうまく見せるコツについてご紹介していきたいと思います。


【1】・・・主張しすぎないこと

例えば、身近なものでいいますとアニメ。
みなさんは、アニメを動画で見ている時、背景イラストを意識したことがありますか? 意識して見ている方は、専門家以外では少ないのではないでしょうか。


しかし実際は、背景イラストは、室内であっても、丁寧でリアルで綺麗に描かれているのです。 背景イラストに目が行かない・・という事は、キャラクターを立たせることに徹しているからなのです。 キャラが浮かないように、画面全体の色設定や、家の広さ、天井の高さなども計算することで、キャラや動きに違和感を持たせないようにしているのです。


大体のアニメキャラには、しっかりとした線画があるため、背景イラストをそれなりに書き込んでもキャラに勝つことはありませんが、主線がなく、淡い色のキャラが乗る背景イラストには随分勝手が変わってきます。

【2】・・・状況に合った色彩設計

背景イラストは、室内か室外かを決めることから始まります。 例えば、家具のデコレーションが多い場合は、室内背景イラストに設定。 デコレーションはモチーフをふんだんに使用したデザインなので、背景イラストも可愛らしいデザインで統一します。


ここで注意点、デコレーションが映えるよう、背景イラストに強い色は使わず、彩度はやや落ちる色味で作ります。 パステルカラーを基調としたイラストにしましょう。

メインのイラストたちに違和感なく溶け込めるように、彩度を低く落ち着かせた色設定をします。 イラスト自体が柔らかい印象であれば、背景イラストを更に淡く薄い印象で製作する必要があるのです。

【3】・・・ざっくり省略・空気感

主に風景画を描く時の重要なポイントです。
風景は大きく分けて、近景と中景、遠景の三つに分類されます。 背景イラストを描く際、遠景になればなるほど、ディティールは省略され、最終的に輪郭のみが見える状態になるよう描きます。

遠景まで細かく要素が見える状態にすると、遠近感自体があまり感じられなくなってしまうからです。

描くオブジェクトとオブジェクトの間に距離があればあるほど、空気の層も厚くなり、その影響で青く霞んでいくのです。 要するに、遠くにあるものを青い色味で描くと、もっと遠くにあるように見えるということです。

オブジェクトと色のトーン、強い色は使わない、全体的に彩度を低くすることが、背景イラストをうまく見せるコツなのです。


今後、背景イラスト製作を依頼する際には、こちらを参考にし、知識を蓄えておくとすごく便利なのではないでしょうか。

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